愛し愛され愛を知る。【完】
「さっき転んじゃって手当してあげたんだけど、一緒に来ていた人は用があるのか今は居ないみたいで……」
「そうなんスか。こんな子供一人残して行くとか不用心っスね」
「うん。だから放っておけなくて……」
「まぁ、悠真も楽しそうだし、もう少しここで待ちますか」
「ごめんね、ありがとう」
それから約三十分程経った頃、
「莉奈! 探したぞ!」
息を切らしながら公園内へやって来たのは高校生くらいの男の子。
「勝手にいなくなって! みんな心配してんだぞ? ん? アンタらは?」
女の子――莉奈を探しにやって来た少年は真彩や朔太郎を見るなり怪訝そうな顔をする。
「あ、その……莉奈ちゃんが転んだ時に居合わせて、一人だって言うから迎えの人が来るまで一緒に待っていたの」
「そうなんですか。それはありがとうございました。ほら莉奈、帰るぞ」
「……はーい」
少年は経緯を聞いてお礼を口にするもののあまり愛想は良くなかった。半ば強引に手を引かれた莉奈は不満そうな表情のまま、少年と一緒に公園を出て行ってしまう。
「……何か愛想の無い子供っスね」
「莉奈ちゃんのお兄ちゃん……だったのかな」
「さあ? さてと、俺らもそろそろ帰りますか」
「そうだね、悠真、帰るよ」
「はーい!」
嵐のように去って行った莉奈という女の子。もう会う事もないかと思っていた真彩だったけれど、その再会はすぐにやって来る事となる。
「そうなんスか。こんな子供一人残して行くとか不用心っスね」
「うん。だから放っておけなくて……」
「まぁ、悠真も楽しそうだし、もう少しここで待ちますか」
「ごめんね、ありがとう」
それから約三十分程経った頃、
「莉奈! 探したぞ!」
息を切らしながら公園内へやって来たのは高校生くらいの男の子。
「勝手にいなくなって! みんな心配してんだぞ? ん? アンタらは?」
女の子――莉奈を探しにやって来た少年は真彩や朔太郎を見るなり怪訝そうな顔をする。
「あ、その……莉奈ちゃんが転んだ時に居合わせて、一人だって言うから迎えの人が来るまで一緒に待っていたの」
「そうなんですか。それはありがとうございました。ほら莉奈、帰るぞ」
「……はーい」
少年は経緯を聞いてお礼を口にするもののあまり愛想は良くなかった。半ば強引に手を引かれた莉奈は不満そうな表情のまま、少年と一緒に公園を出て行ってしまう。
「……何か愛想の無い子供っスね」
「莉奈ちゃんのお兄ちゃん……だったのかな」
「さあ? さてと、俺らもそろそろ帰りますか」
「そうだね、悠真、帰るよ」
「はーい!」
嵐のように去って行った莉奈という女の子。もう会う事もないかと思っていた真彩だったけれど、その再会はすぐにやって来る事となる。