王族の婚姻に振り回された聖女ですが、幸せを見つけました
ケイトは無言でジッと見つめ、クレアはドキドキしながら妹の返答を待った。しばらくの沈黙の後、ケイトは無邪気に笑った。
「ううん! その髪色もきれいだよ。どんな髪型でも、お姉様はいつもきらきらしているもの」
まさかの手放しの賛辞に思わず照れると、二階の窓辺から懐かしい声が聞こえてきた。
声のするほうを見上げる。そこには、予想通り次女のエマが驚いた顔でこちらを見下ろしていた。
「お、お姉様……!? 今日はどうしたの? いつものお付きの人がいないみたいだけど……」
「久しぶり。今日は非公式なの。よかったら、家に入れてもらえる?」
「何言っているの、もちろんよ。さあ、あがって!」
◆◆◆
リアンは気を利かせてくれたのか、気配なく立ち去っていたため、久しぶりの家族水入らずの時間を過ごした。
夜勤明けでたまたま家にいた父親とも再会の抱擁を交わした。離れていたぶんの時間を取り戻そうと、エマとケイトはずっと忙しなく会話を続け、クレアは妹たちの話を聞き入っていた。そのそばで父親は小さい弟のジャックの相手をしながら時折、話に入ってくる。
「ううん! その髪色もきれいだよ。どんな髪型でも、お姉様はいつもきらきらしているもの」
まさかの手放しの賛辞に思わず照れると、二階の窓辺から懐かしい声が聞こえてきた。
声のするほうを見上げる。そこには、予想通り次女のエマが驚いた顔でこちらを見下ろしていた。
「お、お姉様……!? 今日はどうしたの? いつものお付きの人がいないみたいだけど……」
「久しぶり。今日は非公式なの。よかったら、家に入れてもらえる?」
「何言っているの、もちろんよ。さあ、あがって!」
◆◆◆
リアンは気を利かせてくれたのか、気配なく立ち去っていたため、久しぶりの家族水入らずの時間を過ごした。
夜勤明けでたまたま家にいた父親とも再会の抱擁を交わした。離れていたぶんの時間を取り戻そうと、エマとケイトはずっと忙しなく会話を続け、クレアは妹たちの話を聞き入っていた。そのそばで父親は小さい弟のジャックの相手をしながら時折、話に入ってくる。