王族の婚姻に振り回された聖女ですが、幸せを見つけました
混乱したまま懇願されてしまい、クレアは心の中でうなった。
目の前には、見覚えのある青灰色の瞳。まるで信じてほしいと言わんばかりに、訴えかけるような眼差しだ。
(信じられないけど、この人は……リアン、なの……? 確かに髪の色は違う。でも、目の前にいるのはリアンよね……?)
色々聞きたいことはあるが、今はそれを聞くタイミングではない。
喉元まで出かかった質問を飲み込み、クレアは口を開く。
「も、もちろんです。わたしを生涯の伴侶としてお側に置いてくださいませ」
「……っ……ありがとうございます」
一瞬、動揺で瞳が揺らいだように見えたが、気のせいだろう。
いつもと違う態度のせいで、なんだか夢の中にいる気分だ。王太子として振る舞うジュリアンは大人びていて、年下なのに年上のように感じられる。
見慣れない衣装のせいか、彼の周りだけキラキラと輝いて見え、思わず目をそらしてしまう。
そんなクレアを一瞥し、ジュリアンは高らかに告げた。
「これより婚約者として聖女様と親交を深めるべく、二人きりでお茶会をしたく存じます。どうか聖女様を独り占めする無礼をお許しください」
目の前には、見覚えのある青灰色の瞳。まるで信じてほしいと言わんばかりに、訴えかけるような眼差しだ。
(信じられないけど、この人は……リアン、なの……? 確かに髪の色は違う。でも、目の前にいるのはリアンよね……?)
色々聞きたいことはあるが、今はそれを聞くタイミングではない。
喉元まで出かかった質問を飲み込み、クレアは口を開く。
「も、もちろんです。わたしを生涯の伴侶としてお側に置いてくださいませ」
「……っ……ありがとうございます」
一瞬、動揺で瞳が揺らいだように見えたが、気のせいだろう。
いつもと違う態度のせいで、なんだか夢の中にいる気分だ。王太子として振る舞うジュリアンは大人びていて、年下なのに年上のように感じられる。
見慣れない衣装のせいか、彼の周りだけキラキラと輝いて見え、思わず目をそらしてしまう。
そんなクレアを一瞥し、ジュリアンは高らかに告げた。
「これより婚約者として聖女様と親交を深めるべく、二人きりでお茶会をしたく存じます。どうか聖女様を独り占めする無礼をお許しください」