王族の婚姻に振り回された聖女ですが、幸せを見つけました
今日から、ここが帰る場所になる。結婚すればクレアも王族の一人に数えられる。王太子妃として過ごす生活は一向に想像できないが、少しずつでも自分の気持ちにも折り合いをつかねばならない。
婚約者お披露目の夜会以降、物思いに沈むことが多くなった。
知らないふりをするのが正解だとわかっている。だが心の中で落胆している自分がいた。どうしてか、今までどおりに流すことができない。
自分の感情なのに、うまく制御できずにいる。
(最近はくよくよしてばかりね。こんなの全然、聖女らしくない。でも……リアンは無理して笑っていることに気づいてくれて、『もっと自分を大事にしてほしい』って言ってくれた。リアンだけが……)
ジュリアンのことを考えるだけで他のことが考えられなくなる。こんなことは初めてだ。仕事だと割り切って、演じることには慣れていたはずなのに。どうしてこれほど心が乱されるのか、わからない。
あれからメッセージカードの返信もずっとできていない。
婚約者お披露目の夜会以降、物思いに沈むことが多くなった。
知らないふりをするのが正解だとわかっている。だが心の中で落胆している自分がいた。どうしてか、今までどおりに流すことができない。
自分の感情なのに、うまく制御できずにいる。
(最近はくよくよしてばかりね。こんなの全然、聖女らしくない。でも……リアンは無理して笑っていることに気づいてくれて、『もっと自分を大事にしてほしい』って言ってくれた。リアンだけが……)
ジュリアンのことを考えるだけで他のことが考えられなくなる。こんなことは初めてだ。仕事だと割り切って、演じることには慣れていたはずなのに。どうしてこれほど心が乱されるのか、わからない。
あれからメッセージカードの返信もずっとできていない。