王族の婚姻に振り回された聖女ですが、幸せを見つけました
「ど……どうしてそれを……」
「わたし、聞いてしまったの。隣国に好きな人がいたのでしょう? それこそ、ずっと行動を共にするほどの――」
「クレア! ちょっとストップ。お願いだから、少し待ってほしい」
いつになく真剣な眼差しに、おとなしく口を閉じる。
ジュリアンは、何かに耐えるようにぎゅっと両目をつぶった。
「まずは誤解を解かせてほしい」
「……誤解?」
「うん。まずは順に説明するね。君の指摘の通り、行動を共にしていた女性は確かにいた。だが彼女は隣国から借りていた護衛騎士だ。第二王子の俺に近づく女性を牽制するために協力してもらっていた。報酬も払っていたし、彼女とは完全にビジネス関係だ。それに俺の警護は彼女を含めて三人いた。今回の帰国に伴い、護衛契約も終了している」
「だとすると……隣国に好きな人がいたという話は……」
「事実無根の噂だよ」
はっきりと否定され、必死に言葉を探す。
「で、でも。これからいい出会いがあるかもしれないわ」
「俺が好きなのはクレアだよ。っていうか、なんで伝わっていないの? こんなにアピールしていたのに」
「わたし、聞いてしまったの。隣国に好きな人がいたのでしょう? それこそ、ずっと行動を共にするほどの――」
「クレア! ちょっとストップ。お願いだから、少し待ってほしい」
いつになく真剣な眼差しに、おとなしく口を閉じる。
ジュリアンは、何かに耐えるようにぎゅっと両目をつぶった。
「まずは誤解を解かせてほしい」
「……誤解?」
「うん。まずは順に説明するね。君の指摘の通り、行動を共にしていた女性は確かにいた。だが彼女は隣国から借りていた護衛騎士だ。第二王子の俺に近づく女性を牽制するために協力してもらっていた。報酬も払っていたし、彼女とは完全にビジネス関係だ。それに俺の警護は彼女を含めて三人いた。今回の帰国に伴い、護衛契約も終了している」
「だとすると……隣国に好きな人がいたという話は……」
「事実無根の噂だよ」
はっきりと否定され、必死に言葉を探す。
「で、でも。これからいい出会いがあるかもしれないわ」
「俺が好きなのはクレアだよ。っていうか、なんで伝わっていないの? こんなにアピールしていたのに」