環境が最悪なので推し活してたら推しから溺愛されることになりました
美知華が務める『株式会社ファニーカラー』は、多くの人気配信者を抱えている大手企業だった。
元々、最新技術などの新しいもの好きだったこともあり、ダメ元で面接を受け、見事に広報課へ入ることができた。
後から知ったのだが、広報課は社で抱えている人気配信者と多く関わることができるため、そういう意味でとても倍率が高かったらしい。
入社した当初は、あくまで配信という最先端のメディアに興味があり、いわゆる推しと言われる配信者がいたわけではなかった。
だから仕事として人気の配信者たちと関わることがあっても、ミーハーな気持ちは少しも起きなかった。
だが、しかし。
配信者に興味を持たないそんな美知華だったが、勤務して三年も経った頃、あまりにも嫌なことが重なり過ぎた。
まず単純に仕事が激務なこと。これは入社前から多少覚悟していたからまだいい。
けれど、先程のように下心のある社員によって態度を変える主任に、自分の仕事を他人に押し付けて評価だけはもらっていく後輩。
そして何より、今は常務へと出世した元カレの存在だ。
新卒として入社して、右も左もわからない美知華の良き先輩として指導してくれたことが出会いで、付き合うまでにそう時間はかからなかった。
だが、秘書課にいる専務の娘さんだとかに誘惑され、出世も約束してもらったとかで、あっさりと浮気からの美知華を捨てるコースを選んだのだ。
もう顔を合わす機会も少ないが、それでも同じ会社にそんな元カレがいるというだけで腸が煮えくり返りそうになる。
こんな感じでストレスがMAXへと到達した美知華は、たまたま深夜に見た配信によって推しを発見したのである。
『こんにちは! アナタのイケメン集団イケリウムでーす』
元気いっぱいの明るい声が溢れてくる。
スマホ画面の向こうには、自称するだけあって確かなイケメンが三人映っていた。
元々、最新技術などの新しいもの好きだったこともあり、ダメ元で面接を受け、見事に広報課へ入ることができた。
後から知ったのだが、広報課は社で抱えている人気配信者と多く関わることができるため、そういう意味でとても倍率が高かったらしい。
入社した当初は、あくまで配信という最先端のメディアに興味があり、いわゆる推しと言われる配信者がいたわけではなかった。
だから仕事として人気の配信者たちと関わることがあっても、ミーハーな気持ちは少しも起きなかった。
だが、しかし。
配信者に興味を持たないそんな美知華だったが、勤務して三年も経った頃、あまりにも嫌なことが重なり過ぎた。
まず単純に仕事が激務なこと。これは入社前から多少覚悟していたからまだいい。
けれど、先程のように下心のある社員によって態度を変える主任に、自分の仕事を他人に押し付けて評価だけはもらっていく後輩。
そして何より、今は常務へと出世した元カレの存在だ。
新卒として入社して、右も左もわからない美知華の良き先輩として指導してくれたことが出会いで、付き合うまでにそう時間はかからなかった。
だが、秘書課にいる専務の娘さんだとかに誘惑され、出世も約束してもらったとかで、あっさりと浮気からの美知華を捨てるコースを選んだのだ。
もう顔を合わす機会も少ないが、それでも同じ会社にそんな元カレがいるというだけで腸が煮えくり返りそうになる。
こんな感じでストレスがMAXへと到達した美知華は、たまたま深夜に見た配信によって推しを発見したのである。
『こんにちは! アナタのイケメン集団イケリウムでーす』
元気いっぱいの明るい声が溢れてくる。
スマホ画面の向こうには、自称するだけあって確かなイケメンが三人映っていた。