蕩ける愛であなたを覆いつくしたい ~最悪の失恋から救ってくれた年下の同僚に甘く翻弄されています~
 
 ***
 
 その昼休み。
 社食でうどんを食べながら、わたしは正美に、宣人に浮気されたことを打ち明けた。
 ただ相手が留奈であることは伏せた。
 正義感の塊である正美に話したら、大騒ぎになるのは必至なので。

 「サイッテ―!」

 あのときのわたしのニ割増しの勢いで、正美もそう言い捨てた。

 「いやもう、ものすごく落ち込んだ。わたし、どれだけ男を見る目がなかったのかって」

 日替わりのカツ丼を頬張りながら、正美は言った。
 「茉衣、宣人にさんざん尽くしてきたのにね。けっこう振り回されてたし」

 湯呑のお茶を(あお)ってから、彼女は急に真顔になった。

 「本当はさ、あいつはやめた方がいいって、何度も言いかけたことがあったんだ。茉衣と付き合う前、女癖が悪いってさんざん耳にしていたし」
 「……そうだったんだ」

 「でも、茉衣、いつも幸せそうだったから。宣人も本命が見つかって改心したのかと思ってた。でも変わってなかったんだね。ごめん、ちゃんと言えばよかった」 

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