蕩ける愛であなたを覆いつくしたい ~最悪の失恋から救ってくれた年下の同僚に甘く翻弄されています~
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その昼休み。
社食でうどんを食べながら、わたしは正美に、宣人に浮気されたことを打ち明けた。
ただ相手が留奈であることは伏せた。
正義感の塊である正美に話したら、大騒ぎになるのは必至なので。
「サイッテ―!」
あのときのわたしのニ割増しの勢いで、正美もそう言い捨てた。
「いやもう、ものすごく落ち込んだ。わたし、どれだけ男を見る目がなかったのかって」
日替わりのカツ丼を頬張りながら、正美は言った。
「茉衣、宣人にさんざん尽くしてきたのにね。けっこう振り回されてたし」
湯呑のお茶を煽ってから、彼女は急に真顔になった。
「本当はさ、あいつはやめた方がいいって、何度も言いかけたことがあったんだ。茉衣と付き合う前、女癖が悪いってさんざん耳にしていたし」
「……そうだったんだ」
「でも、茉衣、いつも幸せそうだったから。宣人も本命が見つかって改心したのかと思ってた。でも変わってなかったんだね。ごめん、ちゃんと言えばよかった」