蕩ける愛であなたを覆いつくしたい ~最悪の失恋から救ってくれた年下の同僚に甘く翻弄されています~
 唇を合わせながら、彼の部屋に導かれる。
 カットソーをたくし上げて首から抜かれ、スカートのファスナーも下ろされて足元にすべり落ちてゆく。

 「好きだ、茉衣さん」
 「浅野……くん」
 「ねえ、一樹って呼んで」
 「か……ずき」

 彼は満足そうに微笑み、キスをする。
 そのまま胸のふくらみに手を這わせ、揉みしだく。

 「あ……ん」
 首筋を唇が這いはじめると、わたしは身体をびくつかせて、言葉とも吐息ともつかないものを、唇からこぼしてしまう。

 口づけを繰り返しながら、彼の手はゆっくりと身体の脇を下がってゆき、やがて、わたしの一番密やかな場所に到達した。
 「あ……」
 淫らな声が漏れそうになり、わたしは唇を噛む。
 「もっと……声が聞きたい」

 欲を孕んだかすれ声でそういうと、彼の指がわたしの狭間に分け入ってきた。
 敏感な部分を余さず責められて、彼の思惑どおり声が抑えられなくなった。

 「あん、っや、かず……だ……め、ああん」
 
 そんな繊細な、それでいて容赦のない彼の愛撫に、わたしは身も心も溺れた。

< 51 / 67 >

この作品をシェア

pagetop