蕩ける愛であなたを覆いつくしたい ~最悪の失恋から救ってくれた年下の同僚に甘く翻弄されています~
 土日はタガが外れたように愛し合い、そして、週明けのオフィスでも……わたしは一樹に甘く翻弄されていた。
 
 「だめだよ、こんなところで。誰かに見られたら……」 
 
 今も、無人の資料室で彼に抱きすくめられていた。
 熱い吐息が耳元をくすぐる。
 そして、吐息よりも熱い眼差しを注いでくる。

 「伊川さんはよくて俺はだめなの?」
 「彼とはしてないよ……こんなこと」
 「嘘だ」耳朶を甘噛みしながら、彼は囁く。

 「よくふたりでオフィスから抜け出してたじゃない」

 独占欲を隠そうとしない彼の言葉が本当はとても嬉しくて、身体の芯がとろけてしまいそうになる。

 でも、ここはオフィス。流されてはいけないと思うのだけれど……

 彼の唇は耳元から首筋に降りてゆき、ブラウスのボタンを一つ外して、鎖骨のあたりを強く吸った。
 思いがけない刺激に喘ぎが漏れてしまいそうになる。

 「もう……声、出ちゃうって」
 その言葉に、彼はちょっと悪い笑みを浮かべ「じゃあ、塞がなきゃね」とキスして、すぐに舌を侵入させてくる。

 こうなるともう、わたしは彼の背に縋りつくことしかできなくなってしまう。

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