デス・ドール
大人にも容赦なくため口の竜二にヒヤリとする。
「え、えぇ。そうだけど、なに?」

婦人よりも背が高い竜二に少し圧倒されているみたいだ。
「この家のことを知りたくてここにきたんです」

すぐに健太が先を続ける。
「飯島さんのこと? とっくに誰も暮らしていないのに、どうして?」

その問いかけに健太が私へ視線を向けた。
私はコクンと頷いて一歩前に出た。

「ちょっと信じられないことだと思うんですけど、問題が起きていて……」
それから私は老婦人へピエロのことを説明した。

老婦人はずっと渋い顔をしていたけれど、一生懸命説明する私の話しに耳を傾けてくれた。

「ピエロの人形ねぇ。確かにここに暮らしていたお姉さんが持っていたけれど、何年も前のことよ?」
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