デス・ドール
「それっていつ頃かわかりますか！？」

「さぁ……ちょっとよく覚えてないわね。それよりあなたたち、この家を幽霊屋敷なんて呼んでるんじゃないでしょうね？」

老婦人の目つきがひときわ険しくなる。
「僕たちはそんなこと言っていません」

健太がすぐに否定する。
けれど老婦人の目つきは変わらず、こちらを疑ってきているみたいだ。

「そんなに疑うってことは、この家を幽霊屋敷って呼んでるヤツらがいるってことか？」
竜二が聞くと、老婦人はたじどいだ様子で一歩後ずさりをした。

竜二は悪気がなくてもどうしても威圧感が出てしまうみたいだ。

「そ、そうよ。この辺は廃墟が多いけれど、どうしてかこの家だけが幽霊屋敷なんて呼ばれていて、肝試しに来る若い子が耐えないのよ」

その人達がゴミを捨てたり廃墟内でタバコを吸っているので、心配なのだと言う。

それだけ言うと老婦人はもう私達には関わり合いたくないとでも言うように、そそくさと逃げていってしまった。
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