デス・ドール
「どうする? 中に入って様子を見てみるか?」
老婦人が見えなくなってから竜二が言った。

「できればそうしたいけど、さっきの人が通報してないとも限らないな」
健太がため息交じりに言った。

あれだけこちらのことを疑っていたから、通報されているかもしれない。
「この家に入るとしてもまだ後日。ちゃんと準備をしてから出直そう」

健太の提案に私は頷くしかなかった。

ここで無理やり飯島家に入って警察に捕まってしまったら、ピエロに関係することの捜索に支障がでるかもしれない。

今日のところは幽霊屋敷と呼ばれている飯島家を発見できたことだけでも収穫だと思うことにした。
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