デス・ドール
ここは一体誰の部屋なんだろう?
そう思っているとドアが開いて1人の女の子が入ってきた。

中学生くらいの女の子がしゃがみこんだかと思うと、私の体を抱き上げて部屋を出ていく。

私が見ているのは人形くらいの大きさの視点からなのだと気がついた。
『美月ちゃん。ご飯のときくらいはお人形を置いてきなさい』

そこはキッチンだった。
エプロンをつけた女性が女の子を見て呆れた表情を浮かべている。

『足元に置いておくだけだから、いいでしょう?』
と、女の子は私の体を床に置いた。

ここからだとテーブルの下しか見えない。

家族は3人家族みたいで、美月ちゃんと呼ばれたこの子と、母親、そして父親が席についた。

どうやら晩ごはんの時間みたいだ。
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