デス・ドール
竜二がケースからバッドを取り出して身構える。
私もその後ろでスプレーの噴射口をピエロへと向けた。

ピエロが音楽を奏でながら距離を詰めてくる。
私は精一杯手を伸ばしてスプレーを噴射した。

ピエロは一瞬ひるんで動きを鈍くするけれど、すぐに近づいてきた。
「昨日より効果が薄れてる!」

昨日はベッドの下に入り込んでそのまま逃げてしまったのに、今日はもう逃げなくなっている。
やっぱり、ピエロは出現する度に強くなっていっているんだ。

「大丈夫だ! スプレーを続けろ!」
竜二に言われて私はまたスプレーをふっかけた。

ピエロの顔をめがけると動きは確かに鈍くなっている。
その好きに竜二がバッドを振り上げてピエロのタイヤを攻撃した。

ガツンッ!
< 135 / 188 >

この作品をシェア

pagetop