デス・ドール
健太が少し青ざめた顔で真剣に呟く。
「ばーか。全部が全部トンちゃんみたいになるわけじゃねぇだろ」

竜二が突っ込みを入れて、老人ホームに背を向けて歩き出した。

「でもラントンワールドの人形は全部手作りだって噂を聞いたことがある。心を込めて作られた人形は魂がやどりやすいって――」

「はいはい。ただの噂だろ。帰るぞー」
私と綾は手をつないでふたりの後を追いかける。

すべてが終わったら竜二に気持ちを伝えようと思っていたけれど、もう少しこの4人の関係を楽しんでもいいかもしれない。

歩きだした私の脳裏にラントンワールドのお土産屋さんにずらりと並ぶピエロの映像がふとよぎり、そしてそれはすぐに消えていったのだった。


END

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