デス・ドール
そっけない態度
家に帰ってもやっぱりピエロはどこにもいなかった。
そのことに安堵しつつも、また明日学校で姿を見せるかもしれない可能性に落胆する。

どうしてピエロは私達を攻撃してくるんだろう。
他の人たちへの被害はまだないんだろうか。

そんなことを考えているとだんだん食欲がなくなってきてしまって、夕飯を半分も残してしまった。

「どうしたの。いつもおかわりまでするのに」
「なんか風邪っぽくて」

両親に適当に嘘をついて早々に部屋に戻ってきてしまった。

スマホを確認してみると竜二から【綾のこと、気にしすぎるなよ】と、メッセージが入っていた。

それには変なスタンプもつけられて自然と笑みがこぼれた。
その夜私はスマホを握りしめてベッドに入ったのだった。
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