デス・ドール
☆☆☆

いつの間に眠ってしまったのかわからないけれど、翌日は寝不足でひどい状態だった。

目を覚ましてすぐにピエロの人形を確認したけれど、おとなしく出窓に飾られているし、近づいてみても動くことはなかった。

でも、昨日の夜はたしかにベッドの下に移動してたのに……。
そう思うと朝ごはんもろくに喉を通らないまま、学校へやってきていた。

2年A組の教室を開けと、
「千夏、おはよう」

と、先に登校してきていた水野綾が声をかけてくる。
綾は小学校のころからの仲良しで、背が小さくてかわいい子だ。

「綾、おはよう」
「どうしたの? なんだか元気がないみたいだけど?」

綾が私の目の下のクマに気がついて心配そうにしている。
「ちょっと、変な夢を見て」
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