デス・ドール
昨日の夜のことを説明していると、同じクラスの中村竜二と相羽健太もやってきた。

いつもこの四人で行動している仲良しだ。
「ピエロの人形が襲ってくるぅ?」

顔をしかめて言ったのは竜二だった。
竜二と私はおさななじみで、小さな頃からよく知っている。

昔は同じくらいの慎重だったけれど、中学に上がってから急に背が伸び始めた竜二を今では見上げるようになっている。

慎重が伸びると同時にだんだん大人っぽくなっている竜二を、心の中ではドキドキして見ている毎日だ。

「本当だってば」
「夢の続きを見てただけだろ?」

やっぱり、思っていた通り竜二は簡単には信じてくれなかった。
思わずふくれっ面になっていると横から綾が「私は信じるよ」と、フォローしてくれた。

「千夏はそんな子供っぽい嘘なんてつかないもん。ね?」
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