デス・ドール
「僕は貸してもらうだけでいいと思ってたんだけど、竜二が古くなったバッドを野球部からもらってきたんだ。ほら、グラウンドにある物置の中にあったやつだよ」

そう言われて見てみるとたしかにバッドは古くて色が変わっている。
だけど状態はそれほど悪くなくて、折れたりしているものはひとつもなかった。

「すごいね。こんなにもらってくるなんて」

竜二へ向けて言うと、竜二は自信満々の様子で「これくらい、俺の人脈にかかれば一発だ」と、笑ってみせてきた。

これだけ武器があればピエロに立ち向かうことができる。

相手はナイフを持っているけれど、武器の長さで言えばバッドのほうがずっと有利だ。

「それで、そっちはどうだった?」
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