デス・ドール
不安が脳裏をかすめた、そのときだった。
「おーい」

と、声がして私達は振り向いた。
廊下の奥から先生が走ってくるのが見えて私と綾は目を見かわせた。

「よかった。まだいたんだな」
先生は息を切らして足を止めると私へ視線を向けた。

「先生、どうしたんですか?」
「昼間の話がどうしても気になってなぁ。校門まで送ってやろうと思ってたんだ」

私の質問に先生は苦い顔で笑いながらそう言ったのだ。
「あの話を信じてくれたんですか!?」

「いや、うーん。正直信じてるわけじゃないけど、柴原と水野があんな嘘をつくとは主無くてなぁ」
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