デス・ドール
☆☆☆

グラウンドにはいつもどおり誰の姿もなかった。
「こんな中帰るのは寂しいよなぁ」

誰もいないグラウンドよ横切りながら先生が呟く。
私たちはそれに答えず、警戒しながら先生の後ろを進んでいく。

いつもならグラウンドへ出てきてすぐにあの音楽が聞こえてくるけれど、今日はまだ聞こえてこない。

「おいおい、そんなに怖がらなくても」

先生の背中にピッタリくっつくようにして移動する私に、呆れ声を出す先生。

「ピエロはいつどこから襲ってくるかわからないんです」
「そうかぁ。でももう、校門に到着したぞ?」

先生に言われて顔をあげると校門の前まできてしまっていた。
< 69 / 188 >

この作品をシェア

pagetop