デス・ドール
いつの間にかグラウンドを渡りきっていたのだ。
私は驚いて他の3人を見つめる。

3人もまばたきを繰り返したり、グラウンドを振り返ったりしている。
「こんなに簡単に校門まで来れるなんて」

と、健太は顎に手を当てて考え込んでしまった。
「先生。次も校門まで送ってください!」

すがるように言ったのは綾だった。
先生がいることでピエロが出てこなかったのなら、もう安全だ。

だけどそれには先生が渋い顔を浮かべた。
「先生にだって仕事があるんだ。毎日校門まで送ることはできないだろ」

「そんな!」
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