デス・ドール
戻ってくる
それからどれくらい時間が経過しただろうか。
呆然としていた私達の耳に周囲の賑やかさが蘇ってきていた。

みると人々が行きかい、車が走っている。
それを見てようやく現実へ戻ってこれたのだと理解した。

「千夏、大丈夫!?」
隠れていた綾が駆け寄ってきてくれる。

「うん。なんとか……」
支えられながらどうにか立ち上がると、右足が痛む。

だけど歩けないほどではないから、骨は無事みたいだ。
「あのピエロ、バッドで何度も殴ったのに壊れなかったぞ」

竜二はまだ呆然として立ち尽くしている。

「あぁ。今までも木の棒で攻撃してきたけど、無傷だった。あんな弱そうなのにびくともしてないんだ」
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