デス・ドール
「また行くの?」
お母さんは少しつまらなさそうな顔をしている。

どこか別の場所へ行きたいんだろう。
「明日は100回目だから色々催し物があるみたいだし、前回楽しかったじゃん」

私は必死に食い下がる。
ここで断られて別の場所へ連れて行かれたら本末転倒だ。

「まぁ、そうねぇ……」
「お母さんは欲しい物がなかったからなぁ」

お父さんの言葉にそうだったと記憶をたどる。
楽しいイベントだったけれど、お母さんは結局なにも買わずに帰ってきたんだった。

「で、でも古物市って毎回お店が代わるよね? 明日行けば欲しい物が見つかるかもしれないよ?」
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