デス・ドール
☆☆☆

翌日の古物市は前回よりも随分と規模が大きくなっていた。

広場の中には古物市だけでなく特設ステージも設けられて、地元のアイドルやバンドが演奏しているし、食べ物の屋台もあちこちに並んでいていい香りがしてくる。

そんな中、私は目を皿のようにして前回の店を探した。

たしか、40代くらいの男性が出していたお店で、人形やおもちゃや本が多かったはずだ。

だけどそんなお店はいくらでも並んでいて、記憶の中にある男性にはなかなかたどり着くことができない。

今回は規模も大きくなっているしお客さんの人数も多くて探し出せるのは不安になってきた。

「そもそも、同じ人が来てるとも限らないんだよね……」
古物市では参加者が1日分の場所代を支払ってお店を出している。
< 89 / 188 >

この作品をシェア

pagetop