デス・ドール
「そういうことになるなぁ」

お兄さんはそう言うと他のお客さんの相手を始めてしまったので、私はお店からはじき出される形になってしまった。

お店を出している人に会えばなにかがわかると思っていたのに、収穫なしだ。
だけどこのまま帰るつもりはなかった。

少しでも役立つ情報を手に入れないと、ここまで来た意味がない。
私はもう1度お兄さんのいるお店へと向かった。

「あのっ」
「なんだよ。また君か」

お兄さんが呆れ顔になって私を見る。
「なにか買ってくれるのか?」

そう聞かれて私はブルーシートに並んでいる商品へ視線を落とした。

本当は買い物なんてしている場合じゃないのだけれど、買い物をしなければいけないような雰囲気だ。

「じゃ、じゃあこれを」
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