男嫌いと噂の美人秘書はエリート副社長に一夜から始まる恋に落とされる。
「香坂さん。こちらが、甥っ子の丞だ」
「初めまして。真田 丞です」
社長の隣に立っている男性が、軽く頭を下げてそう名乗られる。
百八十は余裕で超えているであろう高い背丈。体格はがっしりとしていて、筋肉質。声は男性の中でも低い部類だと思う。
顔立ちは精悍で、短く切りそろえられた髪が特徴的な人。
……私の意識は彼にくぎ付けになってしまう。
自然と、ごくりと息を呑んでしまった。
(え、な、なに、このお人……)
どういう反応をするのが正解なのだろうか。
頭の中で葛藤して、戸惑って。表情には出さないまま慌てふためく私。
社長が、こほんと咳ばらいをしたのがわかった。だから、私は慌てて背筋を正す。
「香坂 杏珠と申します。秘書課に所属しております」
きちんと自己紹介が出来ただろうか?
子供のような心配を抱く私に、社長が笑いかけてくれる。
「丞はこんな顔だが、心は優しい奴だ。……初めて見る人は、大体圧倒されるしね」
「……うるさいです、叔父さん」
どうやら、社長は私がぼうっとしたのは、甥っ子さんのお顔に圧倒されたと思ってくださったらしい。
……ある意味、正解なのだけれど。ただ、理由が違う。全然違う。
「初めまして。真田 丞です」
社長の隣に立っている男性が、軽く頭を下げてそう名乗られる。
百八十は余裕で超えているであろう高い背丈。体格はがっしりとしていて、筋肉質。声は男性の中でも低い部類だと思う。
顔立ちは精悍で、短く切りそろえられた髪が特徴的な人。
……私の意識は彼にくぎ付けになってしまう。
自然と、ごくりと息を呑んでしまった。
(え、な、なに、このお人……)
どういう反応をするのが正解なのだろうか。
頭の中で葛藤して、戸惑って。表情には出さないまま慌てふためく私。
社長が、こほんと咳ばらいをしたのがわかった。だから、私は慌てて背筋を正す。
「香坂 杏珠と申します。秘書課に所属しております」
きちんと自己紹介が出来ただろうか?
子供のような心配を抱く私に、社長が笑いかけてくれる。
「丞はこんな顔だが、心は優しい奴だ。……初めて見る人は、大体圧倒されるしね」
「……うるさいです、叔父さん」
どうやら、社長は私がぼうっとしたのは、甥っ子さんのお顔に圧倒されたと思ってくださったらしい。
……ある意味、正解なのだけれど。ただ、理由が違う。全然違う。