男嫌いと噂の美人秘書はエリート副社長に一夜から始まる恋に落とされる。
「あ、間違えてました、か、名前」
「い、いえいえ、私は香坂です」
私があまりにも驚いているため、副社長は名前を間違えたと思ってしまわれたらしい。
慌てて首をぶんぶんと横に振る。……先ほど痛めた首の所為で、なんか辛い。
「そうですか。……よかったです」
彼がほっと胸を撫でおろしている。……可愛い。って、こういう感想は大の男性に向ける感想じゃない。
(なに、これがギャップ萌えとか、そういう奴……?)
今までろくに男性に興味を持てなかった。だから、世の女性が『ギャップ萌え』とか言っているのを聞いても、ぴんとは来なかった。なのに、今、私はそれを理解した。
……これは、萌える。
「その」
「……はい」
「……叔父が、無茶ぶりをしたんじゃありませんか?」
彼が真剣な面持ちになって、そう問いかけてこられた。
意味がわからなくて、眉を顰める。副社長は苦笑を浮かべていらっしゃった。
「正直、突然やってきて副社長と認められるかは、不安だったりします」
「……副社長?」
「そりゃあ、後継者が必要なのはわかっています。……ただ、やっぱり。ほら。社員の信頼がないと、後継者は務まらない」
彼のそのお言葉を聞いて、私は理解する。
――彼は、何処までも真面目な人なのだ、と。
「い、いえいえ、私は香坂です」
私があまりにも驚いているため、副社長は名前を間違えたと思ってしまわれたらしい。
慌てて首をぶんぶんと横に振る。……先ほど痛めた首の所為で、なんか辛い。
「そうですか。……よかったです」
彼がほっと胸を撫でおろしている。……可愛い。って、こういう感想は大の男性に向ける感想じゃない。
(なに、これがギャップ萌えとか、そういう奴……?)
今までろくに男性に興味を持てなかった。だから、世の女性が『ギャップ萌え』とか言っているのを聞いても、ぴんとは来なかった。なのに、今、私はそれを理解した。
……これは、萌える。
「その」
「……はい」
「……叔父が、無茶ぶりをしたんじゃありませんか?」
彼が真剣な面持ちになって、そう問いかけてこられた。
意味がわからなくて、眉を顰める。副社長は苦笑を浮かべていらっしゃった。
「正直、突然やってきて副社長と認められるかは、不安だったりします」
「……副社長?」
「そりゃあ、後継者が必要なのはわかっています。……ただ、やっぱり。ほら。社員の信頼がないと、後継者は務まらない」
彼のそのお言葉を聞いて、私は理解する。
――彼は、何処までも真面目な人なのだ、と。