短編集

第1章『わんぱく坊や』

我が家の兄は、とっても変わり者だ。
悪い意味でもいい意味でも『変わり者』だ。

それは、生まれ持った天性と言えるべきなのです。
2月6日、兄は、この世に生まれた。
母と退院する日、母の実家に帰るときに運命の歯車が動き出したのだ。

『さぁ、ゆうちゃん。おうちに帰れますよ~』

この時、ご機嫌だった。
さぁ、運命の時が近づいた。

それは


赤信号になった途端だった!

『ほぎゃあああああああ!』
赤信号になった時、兄は、この世の終わり泣きをしたのだ。

『あらあら、どうしたの?赤信号になって泣いて』
『たまたまだろう。偶然だ』

父は、母に偶然だとか言って、終わらせた。
舐めたらいけない。赤ちゃんは、車の振動が心地いいってことを知らないんだ。
(私もまだ生まれてないけど)

『ねぇ、この子、赤信号になるたびに泣くんだけど。』
『く、車が動くのが好きなのかもしれんな・・・・』

これが母の実家まで続くかと思うと血の気が引いたのだった。

ーーーーーーーーーーー

『二人ともお帰りなさい。』
これは、母のお母さん、私たちのおばあちゃんである。
『お母さん、ゆうちゃんが車止まるたびに泣いて大変だった~~』
『あらあら。ゆうちゃん、車が好きなのかしらね!』

両親、祖母は昼食をとる。兄は、ベビーベッドで寝かせた。

『これからゆうちゃんは、わんぱくになりそうだな~』
父は、ゆうちゃんを見て笑いながらそういう。
『男の子だもの。そりゃ絶対、なる。』
『物とか壊しそうだな~』

父よ、これは、一部当たってる。

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