疫病神の恋
——結城さん。しばらく彼に業務の流れを教えてあげてください
部長から指名されて、咄嗟に「困ります」と返してしまったのは、つい先週のこと。
——わたしには向いていません。他の方にお願いできませんか?
——難しく考えないで大丈夫ですよ。悠生くんの質問の窓口になってくれると助かるんですけど、駄目ですか?
結局断りきれずに引き受けることになってしまった。
彼は今年で二十五歳になるらしく、幸より四歳年上だという。同業他社からの転職だという話なので、知識だってあるだろう。
なぜ自分に声がかけられたのか、皆目見当がつかない。
社会の中で、自分が輪を乱す存在だというのは重々理解している。
どんな仕事であれ、多かれ少なかれ、世の中は人と人のつながりで成り立っている。
けれど、輪の中に入っていった方が、取り返しのつかない迷惑をかけてしまうかもしれないのだ。
部長から指名されて、咄嗟に「困ります」と返してしまったのは、つい先週のこと。
——わたしには向いていません。他の方にお願いできませんか?
——難しく考えないで大丈夫ですよ。悠生くんの質問の窓口になってくれると助かるんですけど、駄目ですか?
結局断りきれずに引き受けることになってしまった。
彼は今年で二十五歳になるらしく、幸より四歳年上だという。同業他社からの転職だという話なので、知識だってあるだろう。
なぜ自分に声がかけられたのか、皆目見当がつかない。
社会の中で、自分が輪を乱す存在だというのは重々理解している。
どんな仕事であれ、多かれ少なかれ、世の中は人と人のつながりで成り立っている。
けれど、輪の中に入っていった方が、取り返しのつかない迷惑をかけてしまうかもしれないのだ。