よあけとあさひ
プロローグ


 わたしはずっと、ひとりぼっちだった。




 毎日閉じ込められた世界の中で、

 暗い場所をさまよいながら生きている。




 いつ消えるか分からない命。

 すぐ近くまで来てしまう、たくさんのさよなら。




 神様は、ちっとも優しくなんかない。




 だけど。




「いつか一緒によあけを迎えて、あさひを見よう」





 キミと出会って、わたしの中に光が生まれたそのときから。




 夜を越えたその先の、まばゆい光を一緒に見てみたい。




 そう思えるようになったんだ。








 夜明けの朝日を見るときに、



 キミはとなりに居てくれるかな。

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