よあけとあさひ
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「……アサちゃん、手術終わったって」




 疲れきっていつのまにか眠っていた俺は、病室に入ってきたユウの声で目を覚ました。

 ユウはそばにあった椅子に座った。俺のはれた目をみて、泣いたことが分かっただろうけれど、ユウは何も言ってこなかった。



「成功したって。まだ、眠ってるけど」

「……っ、は」

「大丈夫。ちゃんと生きてるよ」



 俺の目を見て、はっきりと告げてくるユウ。



「……病室、行こう。ヨルがアサちゃんのこと迎えにいくべきだよ」


 ユウは動揺している俺の肩に手を置いた。


「お前が行かなくて誰が行くんだよ。ほら、立って」

「……ユウ」

「もしかしてアサちゃんが倒れたのは自分のせいとか思ってない? そんなくだらないこと考えてるひまがあるなら立とう。そのまま会いに行くんだ」


 ユウのまなざしは熱かった。

 最初はなんだかふにゃふにゃしてるのに掴めなくて、変なやつだと思っていたけど。女の子の前では優しい口調で話しているけど、俺と話す時だけは少し口調が男らしくなることを俺は知っている。

 俺のアサへの気持ちをすぐに見抜いて、ひそかに応援してくれていた。祭りのことも、告白のことも、「僕は先輩だからね」なんて言って相談に乗ってくれた。



「ユウ……ありがとう」



 俺は、アサという大好きな人に出会って、とても恵まれていると思う。
 そして友達にも恵まれたんだと、このとき強く思った。
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