よあけとあさひ

 お父さんやお母さん、ヨルくんが退室していくと、さっきまで閉まっていたカーテンがシャッと開いて、アスが顔をのぞかせた。


「よかったわね」


 ふっと微笑みながら言ってくれる。アスは、なんだか最初のころよりやわらかく笑うようになった。

 それもぜんぶ、ユウくんのおかげだったりするのかな。



「ありがとう、アス」

「倒れたって聞いたときはヒヤヒヤしたけどね。お祭りも楽しめて、手術も成功して。ほんと、よかったわね」

「そういえば……お祭り、ユウくんと行ってたよね?」

「急になによっ」



 アスはぎょっとしたように目を大きくしてから、プイッと顔をそらした。

 お祭りの話題を出したのはそっちなのに……。


「アスはユウくんと付き合ってるの?」

「まさか、そんなわけないわよ! あれはどうしてもって言われたから仕方なく一緒に行っただけ!」


 でもね、わたし思うんだ。
 本当に嫌な人とは、お祭りになんて行かないんじゃないかなぁって。

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