よあけとあさひ
たった、それだけ。
それだけなのに、この手紙が誰から送られてきたものなのか分かってしまった。
うそ、ほんとうに?
これは夢じゃない?
手紙を持つ手が震える。
この近くの公園で待つと書いてある。でも、それは本当なんだろうか。
ねぇ、ヨルくん。
これはキミが書いてくれた手紙?
ファンレターは作家に届くまでに結構かかると言うから、もしかするとこれが送られたのはずいぶん前かもしれない。だとしたら、もう今日行っても彼はいないかもしれない。
ううん、そんなこと。
「そんなこと、どうだっていいでしょ」
首を振って、手紙を握りしめる。
会いに行こう。わたしは、彼に会いに行きたい。
もしこれが本当にヨルくんだっていう希望があるのなら、わたしはヨルくんをもう一度この目で見てみたい。
お母さんに連絡をして、出かけてくると告げた。
夢中で家を飛び出して、公園を目指す。
会いたい。会いたい。
キミに、会いたい。
三年間、キミのいない生活はつまらなかった。
カラダが健康になって毎日学校に行けて楽しいはずなのに、やっぱりキミがいないと世界はモノクロで。
全然楽しくなんてなかった。
もし、今の生活にキミがいてくれたら。
そうしたらわたしは、どんなに幸せになれるのだろう。