よあけとあさひ
2.キミとの夢
1. まっすぐな目と心
目が覚めていちばんにノートを手に取った。
バクバクと音を立てている心臓。静かにして、とつぶやいたところで何も変わらない。
「……せーの」
小さく掛け声を出して、一気にノートをめくった。
「やっぱりある……!」
昨日書き込まれていたのは、見間違いかもしれないって。夢を見ていたのかもしれないって。そう信じていたのに。
「おもしろかった! 次も読む……って、感想だよね」
そこにははっきりと文字が書き込まれていた。
いったい誰だろう。このノートを拾ってくれた人かな。
でも昨日は六時半ギリギリに帰って、そこでノートを忘れたから、拾ったのは子供ではないはず。となると、大人?
それともカスミさんが?もしかして病院の先生?
うーんと考えていたけれどいっこうに答えは出ず。
けれどそんなわたしのモヤモヤは、ひだまりルームであっさり晴らされることになる。