よあけとあさひ
はぁっと息を吐くと、あつい息が布団の中に広がった。
結局、まだ手紙は書けていない。
このまま、返事を書けないまま、ヨルくんとは終わりになっちゃうのかな。そんなのいやだ。ぜったいに、いやだよ。
わたしはむくりと起き上がって、お母さんに買ってもらった便箋を机に並べた。ずっとにぎってなかった鉛筆を手にとって、姿勢を正す。
……書かなきゃ。
わたし、こんなところでもじもじして、ヨルくんとの関係を終わらせたくない。
ケンカしたからといって、ぜんぶなかったことになんてしたくないから。
ふうっと深呼吸をする。
さっきまで変な音を立てていた心臓は、今は落ち着いている。
ふと、雫先生の言葉を思い出す。
ーー幸せになるためよ。
わたしは、幸せになれるのかな。
その幸せな未来に、ヨルくんはとなりにいてくれるのかな。