よあけとあさひ
*

「はじめまして！　僕、ユウって言います。よろしく！」


　ひだまりルームにて、話題の新メンバーと顔を合わせたわたしとアス。気晴らしにと出かけたところで、運良く新メンバーに出会ったのだ。

　新しくこの病院にやってきたのは、わたしたちよりも一個上の中学三年生、ユウくんだった。年上だから大人びているのかなとドキドキしていたけれど、実際の彼はそれとは真逆。人懐っこい笑顔が特徴的で、少し癖っ毛の茶髪や、丸くて垂れている目元からは優しい印象を受ける。

　ツヤのあるストレートの黒髪であるヨルくんとは対照的に、ふわふわしていて明るい茶髪だからなんだか犬みたい。
　声もヨルくんより高くて、笑うと目がなくなるところや目元のホクロがチャームポイントらしい。



「よろしくね、ユウくん。わたしの名前はアサっていうの」

「よろしく！　アサちゃんって呼ぶね！」



　差し出された手をつかむと、かなりの力でブンブンと縦にふられる。
　勢い、すご……。


　若干その勢いに呑まれていると、「いちおう病人だから、乱暴なことしないで」ととなりでアスが注意した。

　もしかして、わたしのこと守ってくれた？


　そんな小さな感動で盛り上がっている間に、ユウくんの視線はアスのほうへ向いていた。

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