よあけとあさひ

 マリちゃんはいつも描きあげた絵をわたしにくれるのだ。嬉しいけれど、いつももらいすぎてなんだか申し訳ない。


「どっちの勝ち??」

「もちろんマリちゃんだよ。でも、こんなに素敵な絵を本当にもらっていいの?」

「アサちゃんのために描いたから!」



 マリちゃんの目尻にキュッとシワが寄る。そういうところも、すごくかわいらしい。


「ありがとう、マリちゃん。すごく嬉しい」


 優しく頭を撫でると、少し照れたようにはにかむマリちゃん。

 こんなにかわいらしい、フツウの女の子なのに。



 マリちゃんもわたしと同じで、カラダのどこかに病気を抱えている。

ーーそんなふうには、見えないのに。




 ……なんて。
 笑顔の裏で、わたしは一瞬、サイアクなことを思ってしまった。



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