よあけとあさひ
だけど。
そんなアサは今、緊急手術を受けている。
俺と一緒に虹かけ祭りに行っている最中に、意識を失って倒れた。
アサは祭りの翌日に、心臓移植の手術を受けるはずだった。
それなのに、俺と一緒に祭りに行ったから?
無理をしたから?
病室のベッドの上で、丸くなりながら悶々と考える。
アサが倒れたあと、すぐそばで見守りをしていた看護師さんが俺たちの異変に気づいて、すばやく処置がはじまった。
それと同時に俺はアサから離れるよう言われ、自分の病室へと戻った。
そのあと、俺はずっと泣いていた。空の色が薄紫に変わり朝が来ても、ずっと涙が止まらなかった。
俺はアサのことが好きで、このまま別れるなんて嫌だ。この先もずっと、永遠に俺のそばにいてほしい。
そのためのきつい治療なら俺はいくらだって受けられる。
だから、死んじゃダメだ、アサ。
俺は、アサがいないといくら生きても意味がないんだ。