弟は離れることを、ゆるさない
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家の前に葵が立っているのが見えた。
どうやら私を待っていたらしく、私を見つては不服そうな顔をしている。
「……ご飯作ってくれたんでしょ?ありがとう」
「その方が琴音が早く帰って来る気がしたから。合コンどうだった。誰か気になる人はいたかよ」
「……私のプライベートは葵には関係ない。詮索しないでほしい」
「ああ、そうかよ」
キツイ言い方をしてしまったことは分かっている。それでも、近づきすぎないように一定の距離を保っていたかった。
家に入ると、食卓にスープとハンバーグが並んでいた。スープにはきのことベーコンが入っている。ハンバーグはどうやら手作りのようで、みじんぎりにしては大きいたまねぎが肉の中にゴロゴロと入っていた。
「いただきます」
見た目はシンプルだが、味はしっかりしていて、とても美味しかった。