弟は離れることを、ゆるさない


「クラスの男子?」

「ううん、優樹菜が集めてくれる他校の男子」

「それって合コン!?まだ早いわよ?合コンなんて!」

「お母さんたちの時代は早かったかもしれないけど、今は普通だよ。私もいい加減好きな人ほしいから」

「あっらー、三年前に片思いしてた男の子はどうなったのよ?」

「どうもこうも、葵のせいでめちゃくちゃになったし。それから好きな人なんてできなかったんだから」


三年前、小学生の頃から好きだった男の子に告白をし、フられた。私の告白現場に葵がついてきて、告白をしているのに横から私のカザツな面やだらしないところを暴露された。


その子の前ではおしとやかに頑張っていたのに、葵の余計な一言で今までの私の努力はぶち壊され、フられてしまった。



『葵大嫌い!視界にも入れたくない!もうしゃべりかけないで!』


恐らく、私の言葉が原因だろう、この日から葵は私と話すことを止めてしまった。


私が葵のことを口にすると、お母さんは呆れたようにため息を吐いた。


< 4 / 77 >

この作品をシェア

pagetop