弟は離れることを、ゆるさない
当然琴音は、「え」と、半笑いで返してくる。
「な、なに?」
「俺が好きなのは琴音だよ。琴音と家族でいる間は言わないつもりだった。けど、おまえがその気なら俺も手段は選ばない」
「…………私……家族だよ?」
「俺は家族とは思ってない。だから三年間避け続けたんだよ。琴音に意識してほしかったから」
「な、なにそれ……私、どれだけ葵と話したかったか……」
目を潤ませる琴音。
そんな琴音に、また、俺の想いを伝えるだけのキスを繰り返す。
「――ま、まっ」
「俺が軽いヤツみたいに言うけど、全部おまえの代わりだよ。琴音を抱けないから、他のヤツを抱いてた」
気持ちを言うつもりなんてなかったのに……