言葉足らず。
「真野さん?」

 またか、と、小さくため息を吐くと、その様子を見ていたらしい相川先生が声をかけてきた。

「私用の電話です、すみません。」

 うるさくて、と、今回もちょうど10コールで鳴り止んだスマホをポケットの中に押し込んだ。

「ずいぶん熱心でしたね。」
「ほんとに。」
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