気になる彼女のマスク下のヒミツ
1-2
「ごちそうさまでした。今日のご飯も美味しかったよ、パパ。」
「ふふっ、ありがとう。実は美味しいだしを紹介して貰ったから初めて使ってみたんだよ。」
「だしも良いけど、現実逃避も程々にしないと後から死ぬのは貴方よ?」
「うっ…今、ママに僕は刺された…。」
「「…ドンマイ。」」
真理と一緒に床に沈むパパの背中をそっと撫でておいた。頑張れ、生きろ。
2階に戻ってからは一気に身支度を進める。
歯を磨いて、髪をセットして、最後は制服を着て。
今日から高校2年生の真知ちゃんの完成です。
(今日もよろしく頼むぞ、相棒。)
そして、忘れちゃいけない絶対的なアイテム。
マスク先輩だ。
「じゃあいってきまーす。真理はまた学校でね!」
「おー入学式終わったら連絡するわ。」
家を出た瞬間から私のレベル上げが始まる。
よし、と気合いを一つ入れてから自転車を漕いだ。
(うわぁ…早速、濃い匂いが漂ってきたぁ~…。)
さて。
ここで私のレベル上げの意味が出てくる。
人は生まれた瞬間から喜怒哀楽の感情を持っている。
それは様々な形に変化する生物が生きていく上で絶対に必要なもの。
それが形として見えたら?
たまにあるよね。
人の感情が見えちゃうとか聞こえちゃうとかいう凄い能力。
それは漫画やアニメ、ドラマやゲームとか2次元だけの夢物語じゃない。
私の大きなヒミツ。
それは"人の感情が匂いとして分かる"ということ。
ポジティブな感情は爽やかな甘い匂い。
ネガティブな感情はジメッとした匂い。
…等々、人の数だけ匂いはある。
この能力は何も私だけって訳ではない。
"犬飼"っていう名前から分かる通り、先祖代々犬並みの嗅覚を持っているのが私の家。
最初はその優れた嗅覚を使って探し物に特化していた家だったらしいけど、次第に能力がなくなっていった。
けれど、それでも何十年かに一度は嗅覚に優れた人が生まれていたみたい。
昔と比べて目立たずもひっそりと探偵みたいな探し物を生業としてきた"犬飼"だったけど、ここで生まれたのが私。
普通の匂いだけじゃなくて、人の感情まで匂いとして感じ取ってしまうくらいの強い力。
これには親戚含めて皆でビックリ。
別に由緒正しい家とかじゃないからあーしろ、こーしろみたいな良く見る跡取り問題とかはまったくないけど。
ここまで強い力を持った人が先祖レベルで生まれてなかったから能力が発覚した時にはてんやわんやだった。
「ふふっ、ありがとう。実は美味しいだしを紹介して貰ったから初めて使ってみたんだよ。」
「だしも良いけど、現実逃避も程々にしないと後から死ぬのは貴方よ?」
「うっ…今、ママに僕は刺された…。」
「「…ドンマイ。」」
真理と一緒に床に沈むパパの背中をそっと撫でておいた。頑張れ、生きろ。
2階に戻ってからは一気に身支度を進める。
歯を磨いて、髪をセットして、最後は制服を着て。
今日から高校2年生の真知ちゃんの完成です。
(今日もよろしく頼むぞ、相棒。)
そして、忘れちゃいけない絶対的なアイテム。
マスク先輩だ。
「じゃあいってきまーす。真理はまた学校でね!」
「おー入学式終わったら連絡するわ。」
家を出た瞬間から私のレベル上げが始まる。
よし、と気合いを一つ入れてから自転車を漕いだ。
(うわぁ…早速、濃い匂いが漂ってきたぁ~…。)
さて。
ここで私のレベル上げの意味が出てくる。
人は生まれた瞬間から喜怒哀楽の感情を持っている。
それは様々な形に変化する生物が生きていく上で絶対に必要なもの。
それが形として見えたら?
たまにあるよね。
人の感情が見えちゃうとか聞こえちゃうとかいう凄い能力。
それは漫画やアニメ、ドラマやゲームとか2次元だけの夢物語じゃない。
私の大きなヒミツ。
それは"人の感情が匂いとして分かる"ということ。
ポジティブな感情は爽やかな甘い匂い。
ネガティブな感情はジメッとした匂い。
…等々、人の数だけ匂いはある。
この能力は何も私だけって訳ではない。
"犬飼"っていう名前から分かる通り、先祖代々犬並みの嗅覚を持っているのが私の家。
最初はその優れた嗅覚を使って探し物に特化していた家だったらしいけど、次第に能力がなくなっていった。
けれど、それでも何十年かに一度は嗅覚に優れた人が生まれていたみたい。
昔と比べて目立たずもひっそりと探偵みたいな探し物を生業としてきた"犬飼"だったけど、ここで生まれたのが私。
普通の匂いだけじゃなくて、人の感情まで匂いとして感じ取ってしまうくらいの強い力。
これには親戚含めて皆でビックリ。
別に由緒正しい家とかじゃないからあーしろ、こーしろみたいな良く見る跡取り問題とかはまったくないけど。
ここまで強い力を持った人が先祖レベルで生まれてなかったから能力が発覚した時にはてんやわんやだった。