気になる彼女のマスク下のヒミツ
1-3
匂いって思った以上に大切。
皆も経験ない?シワクチャ顔になっちゃうくらいのあんまり好きくない匂い。
人は本能で自分の好きな匂いと嫌いな匂いがある。
日常にはたくさんの匂いが溢れていて、私はそこに+αで感情の匂いも付け足されているのだ。
匂いの大渋滞とはまさにこのこと。あはは、ウケる。
勿論、良い匂いだな。素敵だな。って思うこともあるけど、大抵がシワクチャ顔になる匂い。
だからこそのマスク。
小さな時から少しでも匂いから鼻を守る為のマスクは手離せない。
私の一部、私の相棒。
「あ、やっと匂いが薄まってきたな…良かった。」
血縁者は匂いの対象として除外されていることが唯一の救い。だから、…だから私にとって、家を一歩出た先は必然的にレベル上げの場となるのだ。
今日から新年度。
また気持ちを新たに頑張って過ごしていきたいと思う。
「うーん…あれぇ?おっかしいなぁ…あ、良いところに同じ制服発見!おーい!!」
ワタシ ナニモ ミテ ナイ。
ないったらない。前方にいるチャラい系男子生徒(同じ学校の制服着用含む)とか見てないし。
通り過ぎたい気持ちを渋々と押し込め、自転車を止めた。近くに来るとさらにキラキラオーラ攻撃が…。
「えっと、…何か、お困りでしょうか…?」
「突然ごめんねぇ。花ノ木《はなのぎ》高校の行き方が分かんなくてさ。ネクタイの色的に先輩…だよね?助けて??」
両手を合わせて首を傾げるあざとポーズ。
(このチャラ男…っ、自分の顔の良さを自覚してるタイプか!てか、年下!?え、怖!?)
全体的には茶髪だけど、イヤーカラーという耳の後ろの髪だけピンク色。
左右の耳にはピアスいっぱい。
仕上げに前髪をピンで留めているから綺麗な顔が全開。
右目下の泣き黒子とか反則じゃん?????
「この道を真っ直ぐ行って大通りに出たらすぐに分かると思いますよ。同じ制服いっぱいいるんで…。」
「助かった~ありがと、先輩!ちなみにだけどさ、後ろ乗っけてくれたりする?」
「は?後ろとは??」
「こーこ♡」
ニコォとした笑顔で自転車の後ろに乗ってきたチャラ男。いや、サイコパス男。
誰か110番お願いしまぁぁぁああす!!
何で初対面の男を私は自転車の後ろに乗せているの!
何でこんな手慣れてるの!
あ、慣れてるのか!理解!!
なんて頭の中がパニックになりながらもサイコパス男の顔の良さと、…何よりも匂いへの不快感がなかったことから私は頷いてしまった。
ガッテム。
(本当に…久しぶりにこんな爽やかな匂いに会ったな。)
この人の香水の匂いなのか甘いバニラみたいな匂いだけじゃなくて、感情の匂いも爽やかなシトラス。
正反対な匂いだけど、何故か不快感は感じなくて。
少し、ほんの少しだけ…警戒心がなくなった。
負の感情を持った嫌な人はすぐに匂いで分かるから。
「優しいね~先輩♡もしかして慣れてる?」
「ふざけんなバカヤロウ。」
前言撤回。
やっぱこのチャラサイコパス男は苦手だ。
皆も経験ない?シワクチャ顔になっちゃうくらいのあんまり好きくない匂い。
人は本能で自分の好きな匂いと嫌いな匂いがある。
日常にはたくさんの匂いが溢れていて、私はそこに+αで感情の匂いも付け足されているのだ。
匂いの大渋滞とはまさにこのこと。あはは、ウケる。
勿論、良い匂いだな。素敵だな。って思うこともあるけど、大抵がシワクチャ顔になる匂い。
だからこそのマスク。
小さな時から少しでも匂いから鼻を守る為のマスクは手離せない。
私の一部、私の相棒。
「あ、やっと匂いが薄まってきたな…良かった。」
血縁者は匂いの対象として除外されていることが唯一の救い。だから、…だから私にとって、家を一歩出た先は必然的にレベル上げの場となるのだ。
今日から新年度。
また気持ちを新たに頑張って過ごしていきたいと思う。
「うーん…あれぇ?おっかしいなぁ…あ、良いところに同じ制服発見!おーい!!」
ワタシ ナニモ ミテ ナイ。
ないったらない。前方にいるチャラい系男子生徒(同じ学校の制服着用含む)とか見てないし。
通り過ぎたい気持ちを渋々と押し込め、自転車を止めた。近くに来るとさらにキラキラオーラ攻撃が…。
「えっと、…何か、お困りでしょうか…?」
「突然ごめんねぇ。花ノ木《はなのぎ》高校の行き方が分かんなくてさ。ネクタイの色的に先輩…だよね?助けて??」
両手を合わせて首を傾げるあざとポーズ。
(このチャラ男…っ、自分の顔の良さを自覚してるタイプか!てか、年下!?え、怖!?)
全体的には茶髪だけど、イヤーカラーという耳の後ろの髪だけピンク色。
左右の耳にはピアスいっぱい。
仕上げに前髪をピンで留めているから綺麗な顔が全開。
右目下の泣き黒子とか反則じゃん?????
「この道を真っ直ぐ行って大通りに出たらすぐに分かると思いますよ。同じ制服いっぱいいるんで…。」
「助かった~ありがと、先輩!ちなみにだけどさ、後ろ乗っけてくれたりする?」
「は?後ろとは??」
「こーこ♡」
ニコォとした笑顔で自転車の後ろに乗ってきたチャラ男。いや、サイコパス男。
誰か110番お願いしまぁぁぁああす!!
何で初対面の男を私は自転車の後ろに乗せているの!
何でこんな手慣れてるの!
あ、慣れてるのか!理解!!
なんて頭の中がパニックになりながらもサイコパス男の顔の良さと、…何よりも匂いへの不快感がなかったことから私は頷いてしまった。
ガッテム。
(本当に…久しぶりにこんな爽やかな匂いに会ったな。)
この人の香水の匂いなのか甘いバニラみたいな匂いだけじゃなくて、感情の匂いも爽やかなシトラス。
正反対な匂いだけど、何故か不快感は感じなくて。
少し、ほんの少しだけ…警戒心がなくなった。
負の感情を持った嫌な人はすぐに匂いで分かるから。
「優しいね~先輩♡もしかして慣れてる?」
「ふざけんなバカヤロウ。」
前言撤回。
やっぱこのチャラサイコパス男は苦手だ。