気になる彼女のマスク下のヒミツ
1-7
「てことで、さ。せーんぱい!名前、教えて♡」
「デスヨネ…。」
もう二度と会うこともないだろうと思っていたチャラサイコパス男とまさか数時間後には再会するとは。
そして、聞いて驚け。
未だに抱き上げられているという特典つき。
やったね(棒)。
「あの…もう逃げるという選択肢がないことに気付いたので下ろして頂けるとありがたい、です。」
「ふん。最初から無駄な抵抗だったな。」
今すぐにこの俺様を殴れる力を私に下さい神様。
頭の中で全身雑巾絞りの刑に処しながらも抱き上げから解放されたことで安心安全の床を一先ず堪能した。
(ずっと逃げてても逆に興味を引くだけだ。面白ぇ女展開なんてこちとら望んでないんじゃい。)
私が望むのは平凡と平和。
さっさと自己紹介して彼らとはさよならバイバイだ。
覚悟を決めた私は強いんだぞ!…多分!!
「犬飼 真知。真実の真に知るって書いて真知です。これで満足でしょうか…。」
お願いだから満足と言ってくれ。頼む。
「ん~…じゃあ、アダ名はポチね!何か動きが犬っぽいしさ。どう?可愛いっしょ?」
「もうお好きにどうぞ…。」
君が距離感バグってることは初対面の時から知ってた。
この時点で、朝から怒涛のイケメン攻撃により私の体力はごっそりとなくなっている。
…あぁ、今日もお空がとっても綺麗。
人はこれは現実逃避と言う。
「お。ゆっきんから連絡来た。早く~だってさ。残念だけど、たっつんもそろそろ行かないとだよ。」
「仕方ねぇ…おい、ポチ。」
「そのアダ名気に入った感じ?俺、天才じゃん!」
「うるせぇ。」
本当にうるせぇ。
二人ともここがどこか忘れているようだけど、ここは正真正銘の図書室です。
何でこんなに騒がしい場所になってんだ。
運良く席を外している図書委員とこの騒ぎを察してかいつの間にかいなくなった他の学生。
普段だったらこんなの怒ると怖いで有名な図書委員の鬼瓦さんに摘まみ出されている頃だぞ。
「お前の顔と名前は覚えた。逃げるなんて考えるなよ?また遊ぼうぜ…なぁ、ポチ?」
「俺も!俺も!また会おうね~ポチ先輩!!」
種類の異なる笑顔を浮かべながら去っていった嵐。
今までの緊張が一気になくなり、私はペタリとまた床に座り込んだ。
(まだ心臓がバクバクしてる…っ。)
腕時計を確認すれば2人と話した時間は10分にも満たなかった。
「それでも疲労感的には十分だわ。」
机の上に置いていた携帯には母親からのもうすぐ入学式が終わるとの連絡が入っていた。
まさか弟の入学式を待つ間にこんな体験をするとは…今日って実は厄日だったんかな。
「ハァ~…よし!忘れた忘れた!すっかり忘れたもんね!!何もなかったし、今のは夢!うん、夢だ。夢。」
ー…この時、急いで気持ちを切り替えようとする私は気付かなかった。
さっきの二人と話している間、"一つの匂い"しか感じなかったことに。
私はすっかり重大なことを見逃していたのだ。
「デスヨネ…。」
もう二度と会うこともないだろうと思っていたチャラサイコパス男とまさか数時間後には再会するとは。
そして、聞いて驚け。
未だに抱き上げられているという特典つき。
やったね(棒)。
「あの…もう逃げるという選択肢がないことに気付いたので下ろして頂けるとありがたい、です。」
「ふん。最初から無駄な抵抗だったな。」
今すぐにこの俺様を殴れる力を私に下さい神様。
頭の中で全身雑巾絞りの刑に処しながらも抱き上げから解放されたことで安心安全の床を一先ず堪能した。
(ずっと逃げてても逆に興味を引くだけだ。面白ぇ女展開なんてこちとら望んでないんじゃい。)
私が望むのは平凡と平和。
さっさと自己紹介して彼らとはさよならバイバイだ。
覚悟を決めた私は強いんだぞ!…多分!!
「犬飼 真知。真実の真に知るって書いて真知です。これで満足でしょうか…。」
お願いだから満足と言ってくれ。頼む。
「ん~…じゃあ、アダ名はポチね!何か動きが犬っぽいしさ。どう?可愛いっしょ?」
「もうお好きにどうぞ…。」
君が距離感バグってることは初対面の時から知ってた。
この時点で、朝から怒涛のイケメン攻撃により私の体力はごっそりとなくなっている。
…あぁ、今日もお空がとっても綺麗。
人はこれは現実逃避と言う。
「お。ゆっきんから連絡来た。早く~だってさ。残念だけど、たっつんもそろそろ行かないとだよ。」
「仕方ねぇ…おい、ポチ。」
「そのアダ名気に入った感じ?俺、天才じゃん!」
「うるせぇ。」
本当にうるせぇ。
二人ともここがどこか忘れているようだけど、ここは正真正銘の図書室です。
何でこんなに騒がしい場所になってんだ。
運良く席を外している図書委員とこの騒ぎを察してかいつの間にかいなくなった他の学生。
普段だったらこんなの怒ると怖いで有名な図書委員の鬼瓦さんに摘まみ出されている頃だぞ。
「お前の顔と名前は覚えた。逃げるなんて考えるなよ?また遊ぼうぜ…なぁ、ポチ?」
「俺も!俺も!また会おうね~ポチ先輩!!」
種類の異なる笑顔を浮かべながら去っていった嵐。
今までの緊張が一気になくなり、私はペタリとまた床に座り込んだ。
(まだ心臓がバクバクしてる…っ。)
腕時計を確認すれば2人と話した時間は10分にも満たなかった。
「それでも疲労感的には十分だわ。」
机の上に置いていた携帯には母親からのもうすぐ入学式が終わるとの連絡が入っていた。
まさか弟の入学式を待つ間にこんな体験をするとは…今日って実は厄日だったんかな。
「ハァ~…よし!忘れた忘れた!すっかり忘れたもんね!!何もなかったし、今のは夢!うん、夢だ。夢。」
ー…この時、急いで気持ちを切り替えようとする私は気付かなかった。
さっきの二人と話している間、"一つの匂い"しか感じなかったことに。
私はすっかり重大なことを見逃していたのだ。