涙雨を極甘なチョコに溶かして
「ひゃっ!? へっ、変な言い方しないで」
「なに時間差で焦りだしたの? なごみ、顔が赤いよ」
「だって環くんが……私の唇に押し当てたチョコなんて食べるから……」
「間接キ……」
「だっだだっ、だから言わないでってば!」
「どれだけ甘かったか、なごみも知りたい?」
「べっ別に……」
「舐めてみて」
「ん?」
「俺の指についてるチョコ」
「ほほっ、、、本気で言ってる?」
「恥ずかしがり屋のなごみには、ハードルが高すぎか」
「ハードルが高い低いの問題では……」
「低くしてあげる。目をつぶって」
「何をする気?」
「なごみ、早く」
「……もう、わかった」
「言われた通りちゃんと目をつぶるなんて。本当にいい子だね、なごみは」
「……褒めないで……心臓……くすぐったい」
「なにそのテレ顔、かわいい」
「だから、そういうのが……」
「目を開けちゃダメだってば」
「……あっ、ごめん」
「ちゃんと味わってね。俺の唇の甘さ」