涙雨を極甘なチョコに溶かして
、、、っ。
彼氏じゃないって否定しなきゃだけど……
花音ちゃんの前で、ヘタなことは言いたくないな。
尾ひれつきまくりで、修也くんのご両親の耳に入っちゃうんだろうし。
大人二人に本気モードで怒鳴られるのは、なるべく避けたい。
ここは黙っているほうが賢明かも。
弁明したい気持ちをグッと堪え、私はとりあえず微笑んでみたんだけど。
それは失策だったもよう。
「もう婚姻届けを出してあって、なごみちゃんは新妻だったりして」
「それはないでしょ。だって私たちの年齢だと、まだ結婚できないじゃん」
「じゃあ婚約中? 18歳になったら即結婚ってかんじ?」
「学生婚しちゃうの、しちゃうの? なごみちゃんがうらやましすぎる!!!」
教室内はいつの間にか、お祭りのような盛り上がりに。
初めにちゃんと、花音ちゃんの言っていることはデタラメですと否定しておくんだった。
なんて思っても、もう手遅れみたい。
「なごみちゃんの彼、どこの高校?」
「写真見せて! スマホに入ってるでしょ!」
私の机をバンバン叩くハイテンションな子まで現れちゃったから、お手上げ状態に。