涙雨を極甘なチョコに溶かして
私の罪

 結局お昼休みは一人で、パンの空箱タワーの後ろに隠れ。

 カンガルーのぬいぐるみを胸に押し当てながら、午後一の授業をさぼり。

 涙で充血した目がいつも通りの白さに戻ったところで、休み時間を使って教室に。


「5限いなかったけど、なごみちゃんどうした?」


 クラスメイトからの追及を

「アハハ、急にお腹が痛くなっちゃって」と、苦笑いでかわした私。

 放課後になったと同時に、スクールバックを抱えて教室から逃げ出した。



 いつもなら学校から家に直帰するところ。

 でも今は、家に帰るのも正直おっくうな気分。

 普段より早いけれど、直接向かおう!



 梅雨時期の雨は、気まぐれ猫のよう。

 昼休みにあんな激しく降っていた雨は、お昼寝中なのか歩道に一滴も落ちてこない。

 とはいえ、灰色の雨雲は空に居座ったままで。

 いつ泣き出すかわからないのは、今の私も同じだな……

 なんて空を見上げて、重いため息を吐きだしてみたり。

 
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