苦手だったあなたへ

同居

｢あー、また先生お皿さげてない！｣


｢んー、月葉がやっといて。｣


毎日毎日なんなの!?


最近ストレスで禿げちゃいそう。


｢料理は私が作ったんです。お皿さげるくらい先生がやってくれません？｣




こうなったのにはわけがあった……高校3年生になりたての頃……。


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｢突然ごめんね。驚くかもしれないけど、お母さんとお父さん、しばらく海外に行くことになったの。｣


唐突にそんなことを言われたから、もちろん私も開いた口が数分塞がらなかった。


父と母はファッションデザイナーをしている。2人とも有名らしいけどあまり日本を出ていなかった。


とうとう海外に行くのかぁ。


2人の仕事が上手くいくのはいいことだもん、私も応援しなきゃ。


｢良かったね。どれくらいの期間なの？てかどこに行くの？｣


｢それがね……。｣


言いにくそうなお母さんを見てだいたい察しがついた。


おそらく数週間では済まないだろう。


1ヶ月……もしくはそれ以上の可能性も……。


｢フランスに……4ヶ月滞在することになったの。｣


背中が凍りついたように冷えて固まった。


4ヶ月って、シーズン超えてない？ドラマワンクール終わっちゃうよね？